【11月21日 AFP】サウジアラビアで20か国・地域(G20)サミットが開催されることを受け、国内で拘束されている人の家族らは20日、同国の国際的評判に立ち向かうことが自分らの自由を勝ち取るのに不可欠だとし、声を上げるよう世界に求めた。

 新型コロナウイルス流行の影響でテレビ会議形式での開催となった21日の会議に向け世界20か国の首脳が準備を進める中、活動家らは超保守的なサウジアラビアの人権の歴史に注目を集めようと「対抗サミット」を実施。言論の自由の擁護団体「ペン・アメリカ(PEN America)」が、オンライン上での公開討論会を主催した。

 サウジアラビアをめぐっては、同国出身のジャーナリストで米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)のコラムニストとして働いていたジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が、2018年にトルコ・イスタンブールにあるサウジ総領事館で絞殺され遺体を切断されたことをめぐり、今も怒りの声が上がっている。

 アリージュ・アルサダン(Areej al-Sadhan)さんは、兄弟のアブドラフマン(Abdulrahman al-Sadhan)さんが2018年3月にサウジ秘密警察に拘束されたとし、「私たち親族全員が危険にさらされている。ジャマル・カショギ氏がさらされていた脅威に日々直面している」と指摘した。

 家族によると、人権や社会的正義に関する意見をツイッター(Twitter)に匿名で発信していたアブドラフマンさんは、 勤め先の人道団体、赤新月社(Red Crescent)のリヤド事務所で拘束された。

 米カリフォルニア州に住むアリージュさんは、アブドラフマンさんについて話して以来、「下水道に落とす」といった正体不明の脅迫を受けてきたという。

 米民主党のクリス・マーフィー(Chris Murphy)上院議員はこの対抗サミットで、大統領選での勝利を確実にしたジョー・バイデン(Joe Biden)氏がサウジアラビアの人権問題に取り組むことを期待していると述べた。(c)AFP/Shaun TANDON