【11月21日 AFP】イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)でプレーするクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が、昨年夏に韓国での親善試合に出場しなかった騒動をめぐる裁判で、イベントの主催者は20日、ファンへの賠償命令を受けた。

 通算5度のバロンドール(Ballon d'Or)受賞を誇るロナウドは、昨年7月にソウルワールドカップ競技場(Seoul World Cup Stadium)でユベントスがKリーグ・オールスターに3-3で引き分けた一戦で、スタジアムを埋め尽くした6万5000人の観客からの懇願と怒りをよそに終始ベンチを温めていた。

 ソウル中央地裁は、ポルトガル代表のロナウドがプレーすることを前提に広告を打ち出していたプロモーターのファスタ(The Fasta)社に対し、チケット代金の半分を返金することに加え、同社を訴えていた原告162人への賠償金として1人につき5万ウォン(約4700円)の支払いを命じた。3万ウォン(約2800円)から40万ウォン(約3万7000円)で販売されていたチケットは、35歳のスーパースターへの熱狂で3分足らずで完売していた。

 聯合(Yonhap)ニュースは、裁判所が「被告側には不測の事態を避けるべく、ロナウドのプレーを実現する契約上の義務があった」と判断し、同選手の出場を期待していたファンが「精神的苦痛」を被ったことも付け加えたと伝えた。ロナウド本人やユベントスに対する命令は下されなかった。

 今回の裁判所命令は、ファスタ社が誇大広告で提訴されてファン2人への賠償金支払いを命じられた別の裁判に続くものとなった。

 韓国では試合に出なかったロナウドに対する怒りがスポーツファンから一般大衆に拡大し、約束を守らない行為を指して「ロナウドみたいなまね」というネット用語も生まれた。Kリーグ側もユベントスの対応を「詐欺行為」と批判して謝罪を要求。さらには、スウェーデンまで追いかけて同選手に抗議したファンもいた。

 当時プロモーションツアーに出ていたユベントスは、韓国へのフライトが遅延して会場入りが間に合わず、問題の試合はキックオフが1時間ほど遅れていた。(c)AFP