【11月21日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は20日、自由貿易協定「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」への参加を検討すると表明した。中国は、世界貿易のルールに影響力を行使しようと努めている。CPTPPの前身は米国がかつて支持したがドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が脱退を決めていた。

 米国のバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領は、アジア地域における中国の勢力拡大に対抗する取り組みとして、CPTPPの前身だった大規模な協定への参加を支持していた。これを米国に不利な多国間協定とみなしたトランプ氏は2016年の大統領選での勝利を受けて、米国の脱退を表明。残る11か国がCPTPPで合意した。

 習氏はアジア太平洋経済協力会議(APEC)での演説で、APECは「地域経済統合を推進し続け、アジア太平洋自由貿易圏を早期に確立しなければならない」と言明。中国国営メディアによると、習氏はCPTPPへの参加を「積極的に検討」すると述べた。

 トランプ氏は、今年のAPECのオンライン会合に出席した。同氏の前回のAPEC出席は2017年だった。米国の大統領選では対立候補のジョー・バイデン(Joe Biden)氏が勝利を確実にしたがトランプ氏は依然として敗北を認めずにいる。

 15日には東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10か国に中国、日本、韓国などが加わった15か国が、世界最大の貿易協定となる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に署名した。(c)AFP