【11月20日 AFP】アゼルバイジャン国防省は20日、係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐるアルメニアとの停戦合意で約30年ぶりに返還されたアグダム(Aghdam)県に、アゼルバイジャン軍の駐留部隊が入ったと発表した。

 アグダム県は、ロシアの仲介で成立した停戦合意でアルメニアからアゼルバイジャンに返還が決まった3県の一つ。現地では返還期限を前に19日、アルメニア系住民らが大急ぎで自宅周辺に生えたザクロや柿の木の実を収穫し、家財道具を車に積み込んで退避する様子が見られた。

 自宅を放棄して避難することを決めた電気工事士の男性(40)は、「サウナやキッチンを増設する予定だったけれど、すべて解体せざるを得なかった。自宅もありとあらゆる所有物も、出ていくときに焼き払う」とAFPに語った。

 手を振るアルメニア人兵士らを乗せた戦車や軍用車両も、濃霧の中、列をなしてアグダム県から撤収した。

 停戦合意では、アルメニアが今月25日までにキャルバジャル(Kalbajar)県を、来月1日までにラチン(Lachin)県をアゼルバイジャンに返還することが決まっている。(c)AFP