【11月20日 AFP】(更新)ドイツの製薬ベンチャー、ビオンテック(BioNTech)共同創業者のウグル・サヒン(Ugur Sahin)最高経営責任者(CEO)は19日、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と共同開発を進め、有望視されている新型コロナウイルスワクチンについて、米国あるいは欧州で年内の供給が可能との見方を示した。

【図解】新型コロナ ワクチン開発状況(2020年11月9日時点)

 AFPとのズーム(Zoom)でのインタビューに応じたサヒン氏は「われわれは全速力で作業を進めている」と言明。米国で20日に緊急使用許可を申請する計画を認めた。欧州規制当局には別のデータ一式を「来週」提出するとも明らかにした。

 サヒン氏は「米国または欧州、あるいは両地域で年内に許可を得る可能性がまだある」とし、みなが協力すれば「12月にワクチンの供給を開始する可能性もある」と語った。

 世界のコロナワクチン開発競争では現在、ビオンテック・ファイザーと、米製薬大手モデルナ(Moderna)の二つが先頭に立っている。これらのコロナワクチン候補の大規模な臨床試験(治験)では今月、いずれも約95%の有効性が確認された。二つのワクチン候補の画期的な治験結果でコロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)収束への期待は高まっており、米国と欧州連合(EU)、そのほか多くの国が、開発中のワクチン有力候補数億回分の調達で合意した。

 昨年末に中国で初めて新型コロナウイルスが発生して以来、世界で5600万人余りが感染し、130万人余りが死亡した。(c)AFP