【11月19日 AFP】タイ首都バンコクで18日、反政府デモの参加者数千人が中心部にある警察本部に向け行進し、敷地の壁にペンキをまき散らした。タイでは同日、憲法改正をめぐる国会審議で、王室に関する条文の改正を可能にする議案が否決された。

 数か月にわたり続くデモの参加者らは、軍政下に制定された憲法の改正やプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相の退陣のみならず、これまでタブーとされてきた王室改革も求めている。

 抗議デモのリーダーらの呼び掛けで、参加者らはバンコクのショッピング・商業地区の中心にある複数の交差点に押し寄せた。AFPの推定ではその数は約2万人に上った。参加者らは反王室スローガンを壁や道路にペンキで書くと、ピエロの格好をした参加者と大きなアヒルの浮輪に先導され、警察本部へ向かった。

 17日に行われた抗議デモでは、国会議事堂に向かおうとした参加者らに向かって警察が催涙弾を発射した他、刺激剤を混ぜた水を放出。民主派と王室支持者が衝突する場面もあり、7月に抗議活動が始まって以来、最も激しい衝突となった。

 医療当局者によると、50人が負傷、うち6人は銃で撃たれてけがをしたとみられる。誰が発砲したのかは現時点では明らかになっておらず、警察が捜査を進めている。(c)AFP/Sophie Deviller and Lisa Martin