【11月19日 AFP】中国にある世界一高い屋外エレベーターは、映画『アバター(Avatar)』の着想元となった絶壁を高速で昇り、一瞬にして観光客を約300メートル上空に運ぶ。人々はそこで、息をのむような景色に出会う。

 中国中部の張家界国家森林公園(Zhangjiajie National Forest Park)。ここは、ジェームズ・キャメロン(James Cameron)監督の大ヒット映画『アバター』に登場する惑星パンドラ(Pandora)に浮かぶ山のモチーフとなった場所だ。

 同園のエレベーター「百龍天梯(Bailong Elevator)」は、2階建てエレベーター3台で構成されており、300メートルを超える高低差をわずか88秒で移動する。新型コロナウイルスによる渡航制限や封鎖措置が取られていた中国で国内観光がゆっくり回復する中、「素早さ」が魅力の乗り物だ。

 エレベーター管理会社の幹部は「移動手段としてエレベーターを設置するのにふさわしい地質構造だったため、百龍天梯をつくった」と語った。以前は収容人数が限られたロープウエーしかなかったため、観光客は長い時間待つか、3時間かかる登山に思い切って挑戦するしかなかった。

 エレベーターの利用客は、1日あたり約8000人。コロナ禍以前の約1万4000人と比べると、まだ大幅に少ない。(c)AFP/Ludovic EHRET