【11月18日 AFP】中国保健当局は18日、湾岸都市の天津(Tianjin)にある冷凍食品の倉庫で働いていた2人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表した。冷凍食品に関連した感染症例の報告が相次いでいることを受け、中国は同ウイルスが付着した輸入品に警戒する姿勢を示している。

 昨年末に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界で初めて確認された武漢(Wuhan)の当局は13日、ブラジル産冷凍牛肉から同ウイルスの痕跡が検出されたと発表。

 別の4都市も先週、アルゼンチン産冷凍豚肉やインド産イカなどの輸入食品から採取した検体が、同ウイルス検査で陽性反応を示したと報告した。

 税関当局幹部は先週の会見で、全国でこれまでに冷凍輸入品から採取した80万以上の検体を調べ、海外の供給業者99社からの輸入を一時差し止めたと明らかにした。

 天津市によると、新型コロナウイルスに感染した作業員2人はいずれも、同ウイルスが付着した冷凍食品に接触していたという。

 一方で世界保健機関(WHO)は、「食品やその包装から同ウイルスに感染するとの証拠は、現時点ではない」としている。

 新型コロナウイルスの発生当初は、武漢の海鮮市場と関係があるとされたが、中国国営メディアは、輸入食品が初期の感染拡大の原因であった可能性があるとの主張を強めている。

 中国政府は、流行の原因は依然謎であり、同ウイルスの起源は中国にはない可能性があると訴えており、米国やオーストラリアなどから激しい反論を招いている。(c)AFP/Jing Xuan TENG