【11月18日 AFP】台湾は18日、F16戦闘機1機が前日の訓練中に消息不明となったことを受けて、安全確認のためすべての同型戦闘機の運用を停止したと発表した。救助隊は、不明機の捜索を続けている。

 台湾で使用されているF16戦闘機は約150機。中国はここ数か月、自国戦闘機を台湾空域付近に前例のないペースで出動させており、今回のF16運用停止の判断により、中国の動きをけん制するために使用できる台湾機はさらに少なくなる。

 台湾空軍によれば、44歳の操縦士が乗ったF16戦闘機は17日、花蓮(Hualien)空軍基地から離陸した2分後に、高度約1800メートルの地点でレーダーから消えたという。

 この3週間足らず前にも、F5E戦闘機が訓練中に海に墜落し、操縦士が死亡。その際にも今回同様、運用停止の措置が取られていた。

 台湾の戦闘機は、中国機と比べて古く、その戦力で大幅な後れをとっている。台湾はF16を除けば、台湾製の国産防衛戦闘機(IDF)、1990年代末のフランス製ミラージュ(Mirage)、1970年代のF5Eのみを所有している。

 台湾空域内に入る中国機の数の増加を受け、台湾は昨年の2倍の頻度で戦闘機を緊急発進させている。専門家らは、中国機の飛行は台湾の防衛能力を試すだけでなく、戦闘機は出動のたびに寿命が短くなることから、機体を損耗させる狙いもあると指摘している。(c)AFP