【11月18日 AFP】インドで列車にひかれ、両前脚を失った野良犬が、1年に及ぶ治療と義肢での歩行訓練を乗り越え、英国に新たな「家」を見つけた。

「ロッキー(Rocky)」と名付けられた3歳と思われる雑種の雌は昨年10月、ハリヤナ(Haryana)州北部ファリダバード(Faridabad)で「血まみれ」になっているところを、インド鉄道警護隊(Railway Protection Force)の隊員によって発見された。両前脚には重傷を負っていたという。動物保護団体「ピープル・フォー・アニマルズ(People for Animals IndiaPFA)」のインド支部代表、ラビ・ドゥベイ(Ravi Dubey)氏がAFPに語った。

 隊員はロッキーをPFAの保護施設の一つに連れて行き、ロッキーはそこから動物病院に急いで搬送された。獣医師らはロッキーの両前脚を切断せざるを得ず、ロッキーには脚の付け根部分しか残されなかった。後ろ脚も重傷だった。

 ロッキーという名前は、名作映画『ロッキー』にちなんでいるわけではないが、ロッキーは回復という闘いに懸命に挑んだ。

 ドゥベイ氏は「ロッキーはやり遂げた」「ファイターだ」と話した。

 ロッキーは回復し、顎でバランスを取ることを学んだ。PFAがロッキーの苦境を伝える動画を公開したところ、ソーシャルメディアで拡散され、犬の保護活動を行う国際組織「ワイルド・アット・ハート・ファンデーション(Wild at Heart Foundation)」の目に留まった。

 同組織はロッキーに家を見つけることを約束。また、英ロンドン在住のインド人が義足費用の負担を申し出た。

 ロッキーは今年7月、インド中北部ジャイプール(Jaipur)の有名医が製作した義肢で、最初の一歩を踏み出した。

 ドゥベイ氏によれば、ロッキーは18日朝の便でニューデリーをたち、ロンドンに向かい、里親の元で新生活を始めるという。

「ロッキーはとても勇敢な犬だ。トラウマを受け、両前脚をなくしながらも、驚くべき回復力、力強さ、そして生きることへの闘志を見せた」とドゥベイ氏は語った。(c)AFP