【11月18日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)考古研究院はこのほど、同省忻州市(Xinzhou)偏関県にある天峰坪遺跡で、約4500年前の小規模な石造り村落の跡を発見したと発表した。黄河東岸における石積み建築技術の変遷を知る手掛かりになるという。

 遺跡は同県天峰坪鎮(Tianfengping)天峰坪村の東にあり、西を流れる黄河からは1キロ離れている。面積は約3万平方メートルで、三方を川に囲まれ、外部から隔絶された環境にある。地勢は険しく、防御的要素を色濃く備えている。

 同研究院は昨年10月から今年8月にかけ、地元文化財部門と共同で遺跡のある台地の北側約千平方メートルで調査を実施。のり面保護の目的などで築かれた石垣4カ所や住居跡20カ所近く、灰坑30カ所余り、古墓2基を発掘した。

 同研究院華夏文明研究所の張光輝(Zhang Guanghui)副所長は遺跡全体の分布について、台地ののり面を石垣で保護し、上部と下部に住居を配置。生活ごみは台地の周りに廃棄していたと説明した。最大の特徴として、比較的良い状態で残されていた10余りの住居跡を指摘。多くは石造りで、入り口の幅は一般的に0・8メートル。門扉の回転軸の受け石も多く残されていた。複室構造と単室構造があり、単室には囲炉裏があるが、複室にはなく、特殊な用途で用いられた可能性がある。

 これまで見つかった複室住居の中では、3室構造の住居跡が最も保存状態が良く、壁の角は直角で、横幅12メートル、奥行き4メートル。門扉の回転軸をはめる円形のくぼみの直径は7、8センチあり、当時の軸の太さが見て取れる。単室で保存状態が良かったのは角の丸い四角形の住居で、壁面は丁寧な処理が施され、滑らかな平面となっていた。室内中央の囲炉裏は大きく、建物と同様に角丸四角形をしていた。(c)Xinhua News/AFPBB News