【11月18日 Xinhua News】中国浙江省(Zhejiang)金華市(Jinhua)で14日閉幕した「上山遺跡発見20周年学術シンポジウム」で、約1万年前の上山文化が世界の稲作文化の起源であることが確認された。

 上山遺跡は2000年、同市浦江県(Pujiang)で発見された。8600年~1万1400年前の遺跡で、約1万年前の炭化したイネが出土している。同遺跡に属する文化は2006年、正式に上山文化と命名された。遺跡の発掘調査を指揮した浙江省文物考古研究所の蒋楽平(Jiang Leping)研究員によると、上山文化に属する遺跡はこれまで19カ所見つかり、早期稲作が行われていたことを示す証拠も数多く出土したという。

 シンポジウムは中国考古学会、浙江省の文化・観光庁と文物局、金華市政府が共催し、中国各地の大学や研究機関の専門家と学者40人余りが参加した。参加者らは3日間の会期で十分な討議を行い、出土したイネの収穫から加工、食用に至る一連の遺物から、同遺跡が世界で最も古い稲作の遺構であるとの認識を示した。

 上山文化は世界の学術関係者の間でも注目を集めている。ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のドリアン・フラー教授は、同文化が世界の新石器時代の重要な結節点の一つだとし、著名考古学者のゴードン・チャイルドが「新石器革命理論」で掲げた新石器時代の基本的特徴のすべてを備えているとの見方を示した。カナダ・トロント大学のゲイリー・クロフォード教授は、上山文化が人類の定住の始まりを示していると指摘。米スタンフォード大学(Stanford University)東アジア言語文化学部の劉莉(Liu Li)教授は同文化が稲作の起源だけでなく、人類の定住と農業の起源の関係を研究する上でも非常に価値があると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News