【11月17日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のために窓を開けて換気をすることは、寒さが厳しくなる冬では、口で言うのは簡単だが実際に行うことは難しい。そんな中、ドイツのある学校が、安価で簡素だが高性能な換気装置を自作した。

 考案者は、この中学校に勤務する教師の夫で科学者のフランク・ヘレイス(Frank Helleis)氏。マックス・プランク化学研究所(Max Planck Institute for Chemistry)に勤める同氏は、この換気装置について「キッチンの換気扇のようなもの」と説明する。

 生徒の机の上にはそれぞれ、透明なプラスチック製のじょうごが細い管からつるされている。この細い管は1本の太い管につながっており、わずかに開いた窓の外へ送風機で空気を排出する仕組みになっている。

 ウイルスを乗せて空気中を漂う微粒子を含む可能性がある、生徒の温かい呼気は、頭上に上がってじょうごに吸引されるため、教室内で広がる前に室外に押し出される。新鮮な空気を室内に入れるため、別の窓も少し開けられている。

 実験を行った結果、この換気装置は部屋から90%以上の微粒子を除去できることが分かった。これは、市場に出回っている最先端の空気清浄機と並ぶ水準だ。

 しかし、そうした最先端の装置と違うのは、ヘレイス氏のものは軽量で、ホームセンターで購入した材料を使って200ユーロ(約2万5000円)ほどで作ることができるところだ。

 ヘレイス氏によれば、数人のボランティアによって装置は半日で完成したという。マックス・プランク研究所は、この組み立て説明書をオンラインで公開している。(c)AFP/Michelle FITZPATRICK