【11月17日 AFP】オーストリアの靴販売大手「フーマニック(Humanic)」が、新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)開始前にバーゲンセールを打ち出したところ、無責任な行為だとしてソーシャルメディア上で激しい非難を浴び、謝罪した。

 オーストリア内外に60店舗以上を展開しているフーマニックは14日、首都ウィーンにある店舗の前に長蛇の列ができている写真をフェイスブック(Facebook)の公式ページに投稿したところ、反発を招いた。

 同社は当初、店舗に大勢の客が集まったことに感謝を述べ、ロックダウン前セールは「人々を幸せにするため」の企画だと説明していた。だが、フェイスブック上では即座に反発が起き、2000件近いコメントが寄せられた。

 あるユーザーは、「フーマニックの経営陣がきょうの儲けの一部を、従業員の医療費や病院の人工呼吸器、いくつかの葬儀に寄付してくれますように」と投稿。別のユーザーは「信じられないくらい無責任! 恥を知れ!」と書き込んだ。

 フーマニックは16日、バーゲン企画は「配慮に欠いていた」ことを認め、フェイスブックに「弁解の余地はありません。謝罪します!」と投稿した。

 オーストリアでは新型コロナウイルスの感染者が増加し、各地の病院からは集中治療体制の限界を危惧する声が上がっている。そうした中、政府は17日から2回目のロックダウンを開始しようとしている。

 なお、家具販売チェーン大手の「キカ(Kika)」と「XXXルッツ(XXX Lutz)」も16日、ロックダウン実施前の「本当に本当のラストチャンス」とうたい、最大50%のディスカウントセールを宣言している。(c)AFP