【11月17日 AFP】男子テニス、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は16日、テニス界が厳しい状況に置かれたまま2021年シーズンの幕開けに近づいている中で、「テニスのために」全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2021)開催を望んでいると語った。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で短縮された今季は、英ロンドンで開催されているATPファイナルズ(ATP Finals 2020)で最終戦を迎えているが、わずか7週間後には新シーズンの開幕が迫っている。

 オーストラリアテニス協会(Tennis Australia)はこの日、全豪オープンの前哨戦をビクトリア(Victoria)州で集中開催する計画を明らかにしたが、ダニエル・アンドリュース(Daniel Andrews)州首相からは、メルボルンを再びウイルス感染拡大の危機にさらすような大会は認めないという率直な警告を受けた。

 計画では来年1月18日から31日までメルボルンパーク(Melbourne Park)で開催される全豪オープンを前に、シドニーをはじめブリスベン(Brisbane)、パース(Perth)、ホバート(Hobart)、アデレード(Adelaide)、キャンベラで予定されている大会をすべてビクトリア州で開催することが提案された。

 全豪オープンの大会ディレクターを務めるクレイグ・タイリー(Craig Tiley)氏は計画の理由について、ウイルスの感染防止対策により、ビクトリア州以外で行われる前哨戦に出場する海外選手が全豪オープンに向けてメルボルンに自由に移動することが保証されないためと説明した。

 しかし、アンドリュース州首相は、特にメルボルンがウイルスの第2波を抑制するための1か月に及ぶロックダウン(都市封鎖)措置が解除されたばかりであることから、この計画は「決定事項」ではないと反論した。

 一方、四大大会(グランドスラム)シーズン第1戦の全豪オープンで通算8度の優勝を誇り、2021年大会でも連覇を目指しているジョコビッチは、前哨戦の開催可否については「特に疑わしい点は見当たらない」とした上で、「全豪オープンでプレーしたい」と語った。

「(国別対抗戦の)ATPカップ(ATP Cup 2021)や前哨戦については決めていない。なぜなら最初の大会に向けて、かなり早めの2週間半か3週間前には出発しなければならないからだ」「どうなるか様子を見ていく。だけど、テニスと選手のために全豪オープンの開催を望んでいるし、少なくともATPカップやその他の大会についても同じだ」 (c)AFP