【11月17日 AFP】レバノンのムハンマド・ファフミ(Mohamed Fahmi)内務・自治相は新型コロナウイルスの封鎖措置によるフードデリバリーの禁止に対応するには、女性に料理を作らせればいいと発言した。国内でファフミ氏をからかう声が上がっている。

 レバノンでは新型コロナウイルスの感染者数が10万人を超え、病院の集中治療室が逼迫(ひっぱく)しており、感染拡大を阻止するため14日から、2週間の部分的なロックダウン(都市封鎖)を開始した。

 一日中外出が禁止され、レストランやスーパーからの人気のフードデリバリーもできなくなる日曜日、人々はどうすればいいかと記者に尋ねられたファフミ氏は、「女に少し料理させればいい」と皮肉まじりに発言した。

 同国の閣僚による性差別的な発言に衝撃を受けた女性たちは、SNSで反応し、「#Not_cooking_on_Sunday(日曜日には料理しない)」と宣言した。

 大学准教授のカルメン・ゲハ(Carmen Geha)氏はツイッター(Twitter)に「性差別は私たち女性に対する根深い抑圧と差別をもたらし、国家の『指導者たち』は恥ずべき形で不平等を支持している」と投稿。たびたび批判を受ける公共サービスに言及し、「彼ら(行政)がごみを回収してリサイクルした日なら私は楽しく料理する」と述べた。

 受賞歴のあるジャーナリストのダラル・マワド(Dalal Mawad)氏は「この国の政治家の言うことと意識のレベルの一例」と非難した。

 レバノンの男性たちもこの動きに乗り、「#Fahmi_challenge(ファフミ・チャレンジ)」と銘打って、野菜を切ったりコンロの前でフライパンを振ったりする写真を投稿した。(c)AFP