【11月16日 AFP】レース用ハト競売サイト「ピジョン・パラダイス(PIPA)」で15日、身元不明の中国人バイヤーが雌のハト「ニューキム(New Kim)号」を過去最高の160万ユーロ(約1億9800万円)で落札した。同サイトが明らかにした。

 PIPAによると、これまでの最高額は「アルマンド(Armando)号」が昨年落札された際の125万ユーロ(約1億5500万円)で、今回これを上回った。

 ベルギーのアントワープ(Antwerp)にある名高い鳩舎(きゅうしゃ)で育った2歳のニューキム号は血統が良く、200ユーロ(約2万5000円)で競売に出されていた。

 落札者の名前は不明だが、PIPAの代表はAFPに、この人物は「おそらく、このハトで繁殖を行うのだろう」と述べた。

 ニューキム号は、2018年にフランスで開催された大会「Ace Pigeon Grand National Middle Distance」で優勝している。

 近年は欧州トップレベルのハトが、ハトレースが大金を生む中国を中心に世界的に有名になっている。

 数百キロ先まで飛んだ後に鳩舎に戻る本能的能力を備え、レースで優勝したことのあるハトを求めて、湾岸地域やアジアの裕福なバイヤーが落札を競っている。

 ハトの飼育はベルギーとオランダの生活に根差したもので、この伝統はフランス北部まで伝わった。

 ハトレースは落ち目になったとみられていたが、競売が行われるようになると、将来有望なハトや優勝歴のあるハトがかなりの額で落札されるようになった。(c)AFP