美しさ取り戻した長江 環境改善で「澄んだ水、飲める水」に
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【11月16日 People’s Daily】中国の母なる大河・長江。太陽の光で輝く水面を、多くの貨物船が運航している。「これだけ澄んだ川は、以前なら考えられませんね」。重慶市(Chongqing)を拠点とする盛船務有限公司の王順華(Wang Shunhua)船長は船上から長江を眺め、感慨深げに話す。長江の透明度は高まり、以前は地肌がむきだしだった両岸の山々も緑が生い茂るようになった。
重慶市は今年初め、長江沿岸の11省の中で初めて「三線一単」という環境保護の方針を表明した。「生物保護のレッドライン」「環境保護の最低ライン」「資源利用の上限ライン」という3つのライン(三線)と、生物・環境保護リスト(清単)という1つのリスト(一単)を定めた。長江の本流・支流から1キロ以内に重化学工業や紡績、製紙工場などの建設を禁じ、5キロ以内に工業団地を設立することを禁じた。
環境浄化の取り組みが進み、重慶市などの上流だけでなく中流、下流の水質も改善している。「今年1月、湖北省(Hubei)と江西省(Jiangxi)の水面で、スナメリが泳いでいるのを見つけました。船員たちは甲板でみんな喜んで見ていました」と王船長は話す。
王船長が長江で仕事に従事した当時の船はディーゼル船だった。2018年からは液化天然ガス(LNG)と軽油を燃料とする4000トン級の貨物船に乗り込んでいる。「コストが削減され、重慶市から湖北省の港までで、3000元(約4万7000円)以上節約できます。さらに窒素酸化物は90%、硫黄酸化物と微小粒子状物質PM2.5はほぼ100%カットしています」。コスト削減だけでなく環境汚染防止にもつながっている。
「船員は船に乗り込んでいる時、長江の水を飲んでいます。以前のごみだらけの長江なら考えられませんね」と王船長。長江本流や支流では12万隻近い貨物船が運航しており、数十万人の船員が長江で暮らしている計算だ。以前は大量のごみが捨てられていたが、今では各地で「ゼロ排出」が主流となっている。
王船長は「船上では1枚の紙も長江に捨てません。港に到着したら、私たちはまずごみや生活排水、油汚水を最初に処理し、それから貨物作業に入ります」と解説する。各地の港では、汚染物を処理する施設が整備されている。
長江沿岸の各地では環境保護の理念が浸透し、自然環境の改善が進んでいる。
ザーサイが有名な重慶市涪陵区(Fuling)では、以前はザーサイを作る時に使った水を長江に捨てていたが、最近はその水を品質の良いしょうゆ造りに使っている。「ごみ」を「宝」に変える循環型経済の先進例となっている。重慶市長寿区(Changshou)の経済技術開発区では、30項目の循環型経済プロジェクトを実施し、産業廃棄物の再利用率は97%を超えた。重慶市万州区(Wanzhou)では重化工工業やメッキ、製紙工場を閉鎖し、環境保護産業の育成を進めている。一粒一粒の水が集まって長江の大河を生み出しているように、1人1人の意識向上や各地の取り組みにより、長江と周辺の土地の美しい自然がよみがえりつつある。(c)People's Daily/AFPBB News