【11月16日 People’s Daily】中国チベット自治区(Tibet Autonomous Region)チャムド市マルカム県ダルシュ村で、レンガコンクリートブロックを積み上げた新しい住宅街は、地域でも目立った存在だ。村民のアシさんの住まいもそこにある。地元政府の支援で古い家屋を改築し、新しい暮らしを手に入れた。

 チベット自治区では2016年から、貧困世帯などの老朽家屋を改築するプロジェクトを開始。広々として明るい新居に入ったアシさんは「これぞ本当の幸せです!」と喜びの声を上げる。

 政府は第13次5か年計画(2016~2020年)で、庶民の住居保障に力を入れてきた。バラック街の住宅改築はその柱の一つだ。

「新しい暮らしが幸福を運んでくれました」。北京市豊台区長辛店の住民、李淑恵(Li Shuhui)さんは満足な表情を浮かべる。「以前住んでいたバラック小屋は狭くて寒く、集落の通りもごみごみとして雨が降ればすぐ水たまりができました」。長辛店地区のバラック街改造計画により、「新しい住まいは広々として温かく、集落には公園も子どもの遊び場もあるんです」と満足げに話す。

 第13次5か年計画では全国のバラック街で2000万戸の改築を目標としきた。2016年から2020年8月までに目標を超える2300万戸の改築が実現し、5000万人が新築の公共住宅に移り住んだ。バラック街の改築は、庶民に新しい住まいを提供すると同時に、都市の発展や社会の安定につながっている。

 バラック街の改築計画では、「新居の実物提供」と「家賃補助」を行い、低収入世帯の暮らしを支えている。

「以前は15平方メートルしかない一間に住んで、家賃は毎月800元(約1万2000円)。今は2つの部屋と1つのダイニングがあり、家賃は安くなったんです!」。山東省(Shandong)青島市(Qingdao)李滄区の宋永義(Song Yongyi)さんは喜びを隠さない。「新居に移り住んだ日は、待ちきれず午前6時半にドアのかぎを受け取りに行きました」と、昨日のことのように話す。

 李滄区は最近の5年間で8421戸の公共住宅が建造された。宋永義さんのように新居を提供されたり、家賃の補助を受けている世帯が多い。

 2019年末段階で、中国全体で3800万人の貧困層が公共住宅に移住し、2200万人近くが家賃補助を受けている。住まいを確保しづらい出稼ぎ労働者らの最低限の生活保障にもつながっている。

 浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)海曙区の団地では、エレベーターが新たに設置された。住民の沈明如(Shen Mingru)さんは「私の部屋は5階で、年老いた80歳の母親と暮らしています。ボタンを押すだけでエレベーターが上がってくる。外出が本当に便利になりました」。母親の車いすを新調し、たびたび母親と外出するようになった。

 農村地帯の改築も進んでおり、2019年までに6200万戸の住民が政府の財政支援により新しい家屋に移り住んだ。都市部でも今年、700万戸の老朽家屋が新しい建物に変わった。住宅改築の恩恵を受ける人は今後、1億人を超える見込みだ。住宅保障ネットワークは今後さらに広がり、さらに細部にわたり、全国の庶民の暮らしを支えていく。(c)People's Daily/AFPBB News