【11月16日 People’s Daily】「世界は、中国が唱導している人と自然の共生理念を必要としている」

 国連環境計画(UNEP)のインガー・アンダーセン事務局長は、長年にわたる環境保護活動をそう称賛している。中国の国内での環境保護の取り組みと、国際協力に貢献している姿は世界に希望を与えている。

 中国では2009年から2019年にかけ、7130万ヘクタールもの大地で森林を増やし、その期間で森林資源を増やした世界最大の国家となった。また、人工衛星の観測データによると、2000年から2017年にかけて新たに増えた緑地面積のうち25%は中国の国土が占め、中国は世界の緑化に最も貢献した。国連食糧農業機関(FAO)が発表した2020年グローバル森林資源評価報告でも「中国が森林保護と植樹・造林において国際的に大きな貢献をした」と評価している。近年は国連の環境分野で最高表彰となる「地球大賞」や都市の環境改善を図る「国連人間居住賞」などを毎年のように受賞している。

「緑水青山こそ金山であり銀山である(豊かな自然こそが富だ)」。これは習近平(Xi Jinping)国家主席が繰り返し強調している言葉だ。2012年の中国共産党第18回党大会では「エコロジー文明の建設」が提唱され、経済、政治、文化、社会、エコロジーを「五位一体」として中国の特色ある社会主義を推進していくことが強調された。2017年の第19回党大会ではさらに、環境汚染を防止する取り組みは小康社会(ややゆとりがある社会)を築く「主要決戦場の一つ」として注目された。政府の第13次5か年計画(2016~2020年)において、中国の環境保護政策はさらに強化されている。

 環境保護と貧困解消は二人三脚の関係である。草一本生えない「死の海」といわれた内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)のクブチ砂漠では6000平方キロにわたる緑化作業が行われた結果、生活環境の改善、農牧業・観光業の発展などをもたらし、10万人を超える民衆が貧困から脱出した。全国各地の同様の取り組みにより、300万人以上の貧困層に増収をもたらした。環境保護と経済発展を両立させる「中国の知恵」に、世界の耳目が集まっている。

 国際的な地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」を積極的に推進し、発展途上国の気候変動対策を支援する南南協力基金を設立するなど、中国は国際協調においても大国の責任を果たしている。習近平国家主席は9月30日の国連生物多様性サミットで演説し、中国は二酸化炭素の排出を2030年までにピークアウト(頂点に達し、減少傾向に転じる)し、2060年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量を同量にする)の実現を目指すと表明した。英科学誌「ネイチャー」は「中国の計画は、各国が参考するに値する」と評価している。

 地球環境保護の道のりは長く、世界の協力が必要だ。中国は今後も「緑水青山こそが金山であり銀山である」の理念に基づき、国際社会で率先して世界の環境改善に取り組んでいく。(c)People's Daily/AFPBB News