【11月16日 Xinhua News】中国陝西省(Shaanxi)考古研究院秦都咸陽城考古チームは13日、同省西安市(Xi’an)西咸新区にある秦漢新城を調査した結果、隋唐時代の貴族である元氏一族の墓とともに、唐代の書家、顔真卿(Yan Zhenqing)の筆による墓誌が見つかったことを明らかにした。

 墓誌は元大謙(Yuan Daqian)、羅婉順(Luo Wanshun)夫妻の合葬墓から出土した羅婉順のもので、中国国内で唯一、科学的な発掘調査で見つかった顔真卿の初期の筆跡となる。 

 考古チームは今年6月から、秦漢新城龔東(きょうとう)村にある漢~唐代の墓の発掘調査を実施。隋唐時代の墓が多数出土し、元氏一族の墓3基と墓誌4点を確認した。

 顔真卿の筆による墓誌は、上の蓋石と下の誌石がいずれも51・4センチ四方で、花や草、四神の線刻で縁取られた蓋石の上面には篆書体(てんしょたい)16文字が、誌石には楷書体728文字がそれぞれ刻まれていた。

 西安碑林博物館の陳根遠(Chen Genyuan)研究員は、今回見つかった羅婉順の墓誌は顔真卿が38歳の時に書いたもので、初期の書道作品の特徴である繊細で優雅な筆致が現れていると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News