【11月16日 AFP】ロードレース世界選手権(WGP 2020)第14戦バレンシアGPは15日、MotoGPクラス決勝が行われ、チーム・スズキ・エクスター(Team SUZUKI ECSTAR)のジョアン・ミル(Joan Mir、スペイン)が自身初の総合優勝を果たし、スズキに20年ぶりのタイトルをもたらした。

 1週間前の第13戦ヨーロッパGPで初勝利を挙げたマヨルカ(Mallorca)島出身の23歳は、今大会で7位に入り、総合優勝6回を達成しているレプソル・ホンダ(Repsol Honda)のマルク・マルケス(Marc Marquez、スペイン)が不在の中で王座を奪取した。

 真面目さと粘り強さで知られる新チャンピオンも、この日は珍しく喜びを爆発させ、ウイリーを披露し、タイヤをきしませて煙を噴き上げた。レースは無観客だったが、一緒に優勝を喜び合う家族はいた。

 ミルは「このためにずっと戦ってきた。笑い声を上げたり、叫んだりはできないが、いろんな感情があふれている」とコメント。スズキのライダーがMotoGPクラスを制覇するのは、2000年以来となった。

 波乱も多かった忘れられないシーズンは、ミルが持ち前のガッツと忍耐力で正当なチャンピオンに上り詰めるという結末を迎えた。ここまでのクラス13レース中、優勝は1回のミルだったが、2位が3回、3位も3回というお手本のような安定感で王座を獲得した。

 レースはペトロナス・ヤマハSRT(Petronas Yamaha SRT)のフランコ・モルビデリ(Franco Morbidelli、イタリア)が優勝した。(c)AFP