【11月16日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は15日、トルコ軍が駐留している北キプロスを訪問し、キプロス島の「2国」分断を永続するのが望ましいと述べた。この訪問をめぐっては、国際的に承認されている南側からは挑発行為との非難が上がっている。

 キプロス島は、欧州連合(EU)加盟国で南側の3分の2を支配しているキプロスと、トルコ軍が駐留している北キプロスに分断されている。

 エルドアン氏は、北キプロスの沿岸地域バローシャ(Varosha)も訪問。この地域は、1974年にトルコが北キプロスへ侵攻して以降、島を分断してきた国連(UN)の緩衝地帯沿いに位置し、かつて高級リゾート地だったもののゴーストタウンと化している。

 トルコ政府しか承認していない北キプロス・トルコ共和国の独立宣言から37年を迎えたことで同島を訪問したエルドアン氏は、「キプロスには、2つの民族と2つの独立した国がある」「独立した2国に基づいた解決策のために協議を行うべきだ」と述べた。

 また、以前国連の主導で2国間の連邦国家として島を統合する取り組みが行われたものの失敗に終わったことについて、「昨日の太陽で今日の洗濯物は乾かせない」と述べた。この発言で、キプロス島の最終的な統合への望みはさらに薄くなった。

  EUのジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表(外相)は、エルドアン氏の北キプロス訪問を非難し、「EUからのメッセージはとても明白だ。キプロス問題の包括的解決には、国連安保理(UN Security Council)の決議関連に基づくほかない」とする声明を発表した。(c)AFP/Odul Asik Ulker with Burcin Gercek in Ankara