【11月16日 AFP】男子テニス、ATPファイナルズ(ATP Finals 2020)が15日に開幕し、大会第2シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が第7シードの好調アンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev、ロシア)を6-3、6-4で下し、初優勝に向けて好発進を切った。

 その輝かしい戦績の中では、この大会が手に入れられていない最大のタイトルである世界ランキング2位のナダルは、無観客のO2アリーナ(O2 Arena)で汗をほとんどかくこともなく初出場のルブレフに圧勝した。

 前月の全仏オープン(French Open 2020)を制し、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に並ぶ四大大会(グランドスラム)最多20勝目をマークしたナダルは、これまで86のタイトルを獲得してきたが、インドアのハードコート大会では一度しか優勝していない。

 ATPファイナルズでの成績は他のライバル選手と比較すると劣っており、負傷により今大会を欠場しているフェデラーは最多6度、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は5度の優勝経験を誇る。

 序盤は両者とも楽にキープし合う展開だったが、総じてサーブで上回っていた34歳のナダルが第6ゲームでブレークに成功。23歳のルブレフはフラストレーションのあまりラケットをコートにたたきつけ、ナダルがこのまま手間をかけずに第1セットをものにした。

 新型コロナウイルスによって中断を余儀なくされた今季、ツアー最多となる5勝を挙げているルブレフは、第2セットの第1ゲームでもブレークを許し、難しい状況に追いやられるとファーストサービスの確率を上げたが、手遅れだった。

 ブレークポイントを与えず、77分でルブレフを下したナダルは「いつだって初戦は全然油断できない」とコメントした。「トップの中のトップとの対戦はいつも難しい。だから、僕にとっては前向きなスタートになった。とてもうれしい」

 この大会の決勝に過去2度進んでいるナダルは「今夜はサーブがとても機能していたように思う。あのようなサーブが打てれば、このサーフェスではいつだって少しの助けになる」と続けた。(c)AFP/John WEAVER