【11月23日 AFP】男子テニス、ATPファイナルズ(ATP Finals 2020)は22日、8日目が行われ、大会第4シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)が4-6、7-6(7-2)、6-4で第3シードのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)との熱戦に逆転勝利を収め、キャリア最大のタイトルを手に入れた。

 試合の大半の時間帯で劣勢だったメドベージェフだが、なんとか逆転の糸口をつかんで最後には上回った。優勝5回のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、世界ランキング2位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)を破って勝ち上がってきたメドベージェフは、ランク上位3人を全員破ってファイナルズを制した初めての選手になった。

 メドベージェフは今月上旬のパリ・マスターズ(Rolex Paris Masters 2020)でもタイトルを獲得しており、これで公式戦10連勝。初出場の前回は全敗で大会を去っていただけに、甘美な優勝となった。

 メドベージェフは「すごい試合だった」「キャリアでも最高の勝利の一つだ。素晴らしい選手を相手にした2時間42分の3セットマッチだった」とコメントした。

「ドミニク、君のこれまでの実績におめでとうを言いたい。君の名前はもうテニスの歴史に刻まれている」「素晴らしいことだ。今年は四大大会(グランドスラム)を取って、信じられないプレーをしている。これからも、こういう大舞台で君と試合をしたい」

 一方のティエムにとっては、ステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)に敗れた昨年大会に続いて決勝で涙をのむ悔しい敗戦となった。ティエムは「もちろんがっかりしているが、同時にこの1週間の自分のプレーを誇らしく思う」「ダニールにふさわしい優勝だ。素晴らしい試合だった」と話した。

 ロシアの選手がファイナルズを制覇するのは、英ロンドン開催1年目の2009年に優勝したニコライ・ダビデンコ(Nikolay Davydenko)以来となった。大会は2021年から伊トリノ(Turin)に舞台を移して開催される。(c)AFP/John WEAVER