【11月16日 AFP】20F1第14戦トルコGP(Turkish Grand Prix 2020)は15日、決勝が行われ、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が優勝を果たし、ミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏に並ぶ最多7度目の年間王者に輝いた。

 どこに危険が潜んでいるか分からないウエットなコンディションの中、6番グリッドから見事なドライビングを披露したハミルトンは、3戦を残してシューマッハ氏の総合優勝回数に肩を並べた。

 いつも通りの落ち着いた走りを見せ、序盤の滑りやすいコンディションを攻略した35歳のハミルトンはこれが自身通算94勝目。その中でも最高の勝利の一つと大いに断言されるこの優勝は、シューマッハ氏の記録に並ぶにはこれ以上ないほどふさわしいものだった。

 感極まったハミルトンは、チームの無線で「不可能だと信じている全ての子どもたちにささげる」「君ならできる」と話した。

 またハミルトンはレース後、さらなるタイトルの獲得に飢えていると主張し、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動の支援に関して、自身がF1界をけん引した今季を終えてチームとファンに敬意を表した。

 ハミルトンは「まだキャリアをスタートさせたばかりであるような感覚。身体的にはとても良い状態だ。今年は多くの人にとって精神的にとても難しいものになっているが、それはわれわれアスリートも同じ」とコメントした。

「この挑戦をどうやって乗り越えるべきなのか分からなかったが、チームLHの助けもあってなんとか克服できた」

 今季最高位となる3位でフィニッシュし、通算4度の総合優勝を誇るフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)も、ハミルトンの偉業を称賛した。

「彼がわれわれの世代で最も偉大であることは確か」「感情的には、私にとってミハエルがずっと最も偉大なドライバーであり続けるのは確かだが、実績に関してはルイスが最高であることは疑いようがない」

 2008年に初の年間王者に輝いたハミルトンは、通算94勝、最多ポールポジション獲得(97回)、最多表彰台獲得(163回)、最長連続ポイント獲得(47戦)といった前人未到の実績に新たな記録を加えた。

 レーシングポイント(Racing Point)の2位セルヒオ・ペレス(Sergio Perez)に30秒以上の差をつけ、総合優勝の可能性が他に唯一残されていたチームメートのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)を周回遅れにしたハミルトンは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって開幕が遅れた今季の14戦で10勝目を挙げた。

 スリッピーなコンディションに対応するためライバルたちが複数回ピットインする中、ハミルトンとペレスのピットストップはわずかに1回で、共に1組のインターミディエート・タイヤでレースの大半を走りきった。

 3位のベッテル以下、フェラーリのシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)が4位、マクラーレン(McLaren)のカルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.)が5位に入り、大荒れの午後となったレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)は6位につけた。

 また、同じくレッドブルのアレクサンダー・アルボン(Alexander Albon)が7位、マクラーレンのランド・ノリス(Lando Norris)が8位、自身初のポールポジションからのスタートとなったレーシングポイントのランス・ストロール(Lance Stroll)が9位、ルノー(Renault)のダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)が10位となった。(c)AFP