【11月15日 AFP】パキスタンのパンジャブ(Punjab)州当局は14日、レイプ被害者に対する時代遅れな侵襲的身体検査を禁止した。

 同国最大となる約1億1000万人の人口を抱えるパンジャブ州では今年、英植民地時代から行われていたこの「2本指検査」に批判的な人々が、検査の中止を求めて同州政府を相手取り提訴。

 この内診を支持する人々は、女性の受けたレイプやその女性の「貞節」、また女性が「性行為に慣れて」いたか調べることができると主張している。

 この検査をめぐっては近年反発が強まっており、有益な情報がまったく得られない上に、レイプ被害者にとってトラウマになるとの批判が上がっていた。

 パンジャブ州の保健当局は9月、この検査の結果には「限定的な証拠能力」しかないと認めたものの、検査は続けられていた。

 14日に出されパンジャブ州全域で即時発効した禁止令によって、進められていた訴訟は事実上阻止された。

 同様の訴訟は南部シンド(Sindh)州でも進められており、全国的な禁止への勢いが強まっている。

 この内診は、隣国インドで2013年に、続いてバングラデシュでも2018年に禁止された。

 保守的なパキスタンでは、家父長制が深く根付いている。そのため性的虐待を受けた被害者が声を上げるのを恐れるほか、警察が事件を真剣に捜査しないことも多い。(c)AFP