【11月15日 AFP】ラグビーの南半球対抗戦、ザ・ラグビーチャンピオンシップ(The Rugby Championship 2020)は14日、第3節が行われ、アルゼンチンが25-15でニュージーランドを破り、オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)から史上初となる白星を挙げた。

 気持ちの入ったアルゼンチンはSOニコラス・サンチェス(Nicolas Sanchez)が一人で全得点を決め、オールブラックスとのテストマッチ30試合目で初勝利をつかんだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、大会前は無名チームとの練習試合を2回しかこなせず、勝つ見込みはほとんどなかったが、チームは2019年のW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)以来となるテストマッチで奇跡を起こし、ラグビー史に残る番狂わせを演じた。

 マリオ・レデスマ(Mario Ledesma)ヘッドコーチ(HC)は、「まだ実感が湧かない。結果もそうだが、今年いろいろなことが起こった中で、フィールドへ出てプレーできたのが信じられない」と話した。

「中には家族と4か月会っていない選手もいるが、みんな前向きだったし、素晴らしかった」「試合だけでなく、この特別な状況も含めて、きょうのことはずっと忘れないと思う」

 一方のニュージーランドは、オーストラリアに22-24で敗れた前節に続く黒星。テストマッチ連敗は南アフリカとオーストラリアに敗れた2011年以来、およそ11年ぶりの屈辱となった。イアン・フォスター(Ian Foster)ヘッドコーチ(HC)は前節から先発10人を入れ替え、現状のベストメンバーで臨んだが、オーストラリアの前指揮官、マイケル・チェイカ(Michael Cheika)氏のサポートを受けたアルゼンチンに及ばなかった。

 フォスターHCは「もちろん、オールブラックスの視点で言えば結果としても、プレー内容としても非常に残念だ」「相手におめでとうと言いたい。ちょっとした歴史的な日になっただろう」とコメントした。(c)AFP/Martin PARRY