【11月15日 Xinhua News】中国最大規模のネット通販セール「双11(ダブルイレブン)」は今年も盛況だった。新型コロナウイルスが世界的に流行する中、アリババグループや京東集団(JDドット・コム)など中国電子商取引(EC)大手が運営する通販サイトでは、いずれも過去最高の取引額を更新した。

 セール当日の11日だけで、京東の受注額は2715億元(1元=約16円)を超え、蘇寧易購集団のオンライン受注量は前年比72%増に上った。アリババ傘下のECサイト「天猫(Tモール)」は午前0時半時点のわずか30分間の取引額が前年同日の実績を1100億元余り上回った。

 山西省(Shanxi)社会科学院経済研究所の張保華(Zhang Baohua)研究員は「新型コロナの影響で、ネット通販を利用する傾向が強まったことが、今年の消費スタイルの最大の変化で、特徴でもある」と指摘。中国人消費者の購買力がコロナ禍にありながらも依然旺盛で安定していることが、国内外の複雑な経済情勢やリスクの深刻化という課題に対処する中国を力強く支えているとの見方を示した。

 生活水準の向上に伴い、中国人消費者の需要も高度化しており、スマートホームやヘルスケアなど、さまざまな製品が人気を集めている。蘇寧易購のまとめによると、「双11」期間中、第5世代移動通信システム「5G」対応の携帯電話の売り上げは前年の19倍に達し、スマート家電の受注は3・2倍に拡大した。

 中国人が「双11」で発揮する購買力は拡大と高度化を続けており、内需の力強さを物語っている。ECサイト「天猫」と「淘宝(タオバオ)」の蔣凡(しょう・はん)総裁によると、今年の「双11」に参加した消費者は約8億人、出店数は500万店を超え、過去最多を再び更新した。(c)Xinhua News/AFPBB News