【11月13日 People’s Daily】省エネルギーと環境保護の流れは、オフィスビルにも大きな変化をもたらしている。中国四川省(Sichuan)成都市(Chengdou)のハイテク産業開発区にあり、高さ160メートルを誇る超高層ビル「国際科学技術省エネルギービル」は、数々の最先端技術を取り入れた「グリーン(環境に優しい)ビル」だ。

 ビル管理人の秦偉然(Qin Weiran)さんは、地下1階の室内や通路の天井に設置されたライトを指さし、「これは電気の光ではなく、太陽の光そのものなんです」と意外な説明をした。ビルの壁や窓の周辺には光ダクト(内面が鏡になった筒)が43か所あり、採光した太陽の光を反射させながら地下に送っているという。光ダクトには採光装置、反射装置、照明拡散装置があり、有害な紫外線などをカットしながら、室内に自然光を届けている。

 光ダクトの設計を担当したエンジニア董鋒(Dong Feng)さんは「成都市の日照条件では毎日10時間前後、太陽光を室内の照明に使えます」と話す。秦偉然さんは「この規模のビルは通常、照明のためワンフロアごとに年間16万キロワット時の電力が必要となりますが、このビルでは補助照明用に年間5000キロワット時未満しか必要ありません。このシステムには181万元(約2880万円)を投資し、少なくとも30年間はこのまま使用できるでしょう」と胸を張る。

 オフィスビルで大きな電力負担となっている空調も、実に工夫が凝らされている。

「保温と断熱のため窓ガラスには、2枚のガラスの間に中空層を持たせた強化合わせガラスを採用しています。光を取り入れる一方で熱は一定の吸収を抑え込むので、『冬は暖かく夏は涼しい』空間を実現し、空調による消費を節約しています」。そう解説するのは、工事を担当した中国建築第四工程局有限公司(中建四局)の厳偉(Yan Wei)副総経理。ビルの壁も保温・断熱効率の高い材質を使ったコンクリートブロックを採用しているという。

 エレベーターは多くの電力を消耗するが、このビルでは17台のエレベーターが「発電」も担っている。例えば40階建てのビルでエレベーターが1日10時間稼働すると、電力を300キロワット消費する。しかし、このビルのエレベーターは運転時に発生する回生電力をビル内の照明機器や空調機器などに有効利用している。厳偉副総経理は「エレベーターは小型発電機の役割も果たしているんです」と説明する。

 省エネビルにとっては自然の風、光、水すべてが「資源」だ。

 強風が吹きすさぶ高さ160メートルの屋上には8基の風力発電機を設置。年間発電量は1.25万キロワット時に達し、ビル管理部門の照明に使用されている。屋上には太陽を自動追跡するスマート太陽光パネルもあり、太陽エネルギーを提供している。雨水も導水管を通じて最大200トンを貯蔵し、濾過(ろか)と消毒作業を済ませた後、周辺の道路の清掃作業や街路樹などの緑化作業に使っている。エネルギーを浪費する都市文明の象徴にも見られてきたオフィスビルが、今や自然のエネルギーを再生するグリーンビルに進歩した。グリーンビルは今後、人類と自然の調和を象徴する建物として各地に普及していく。(c)People's Daily/AFPBB News