【11月15日 CGTN Japanese】杭州市(Hangzhou)在住の81歳の楊哈娜(Yang Hana)さんは、「2年前、息子が(オンラインモールの)淘宝(タオバオ、Taobao)の使い方を教えてくれた。それ以来、家にあるすべてのもの、油、塩漬け、酢、戸棚、服など、すべてネットで買うようになった」と話しています。

 中国では今、ネット通販に夢中になる高齢者がますます増えています。

 中国では今年、60歳以上の人口が総人口に占める割合が17.4%に達するとみられています。民政部の最新データによりますと、第14次5カ年計画(2021~2025年)期間中に中国の高齢者人口は3億人を突破します。シルバーエコノミーは、中国の新たな経済成長ポイントの一つになりつつあります。

 2018年に中国の電子商取引(EC)大手のアリババ(Alibaba)が発表した「シルバー族消費増加データ」によりますと、淘宝や天猫(Tmall)を利用するシルバー族は3年間で1.6倍になり、2017年から19年までに高齢者層の消費額は20.9%増加しました。今年の新型コロナの感染爆発はデジタル経済の発展をさらに加速させ、高齢者層のオンライン消費への意欲は明らかになっています。アリババが先月末発表した「高齢者デジタルライフ報告」によりますと、感染症期間中の消費増加率を世代別に見ると、高齢者層は「00後(2000年代生まれ)」に次ぐ2位となりました。中国インターネット情報センターが2020年3月と6月に調査したデータによりますと、60歳以上の高齢者ネットユーザーがネットユーザー全体に占める割合はわずか3カ月間で6.7%から10.3%に上昇したとのことです。

 一方で、ネット通販を利用できる高齢者は増えているものの、「デジタルデバイド」に直面している高齢者もかなりの割合に達しており、その格差は感染症期間中に拡大しています。

 QRコードをスキャンできないため、医療を受けられなかったり、居住区に入れなかったりする高齢者の話がよく報じられています。高齢者の中にはスマートフォンを持っていない人もいます。

 中国で高齢化がますます進むに伴い、こうした格差をどのように縮小するかは大きな課題です。(c)CGTN Japanese/AFPBB News