【11月12日 AFP】エチオピア北部ティグレ(Tigray)州で連邦政府軍と州政府与党「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」の戦闘が続く中、少なくとも1万1000人のエチオピア人が隣国スーダンに流入している。スーダン東部カッサラ(Kassala)で難民の対応に当たる当局者が11日、明らかにした。

 避難してきた人々の中には、エチオピア人兵士らも含まれているという。この当局者は、スーダン側の支援態勢は限界に近づいていると述べ、国際社会の支援の必要性を訴えた。

 一方、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、直近2日間でエチオピアからスーダンに逃れた7000人余りに支援を提供したと発表。難民の数は「急増する恐れが大きい」との見方を示した。

 国営スーダン通信(SUNA)によると、隣国エリトリアのオスマン・サレー(Osman Saleh)外相と会談したスーダンのアブダラ・ハムドク(Abdalla Hamdok)首相は、エチオピアに「できるだけ早期に戦闘を終結し」交渉の席に戻るよう呼び掛けた。

 ただ、昨年ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したエチオピアのアビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相は10日、「犯罪集団が武装解除し、ティグレ州に合法的な行政が回復し、逃亡者らが逮捕されて裁判にかけられ次第」軍事作戦は終了すると述べている。

 アビー首相は、TPLFが「越えてはならない一線を越え」て連邦軍の基地2か所を攻撃したと非難しているが、TPLF側はこれを否定している。

 エチオピア空軍は11日、ティグレ州内で武器庫と燃料庫を爆撃したと発表した。また、エチオピア陸軍の北部司令官は10日、ティグレ人戦闘員550人を殺害し、29人を拘束したと国営メディアに語った。(c)AFP