【11月13日 Xinhua News】中国の音声コンテンツ市場のユーザー数は今年、2019年の4億8900万人からさらに増え、5億4200万人になると見込まれる。有償サービスを利用したことがあるというユーザーは7割を超えている。中国の調査会社、艾媒咨詢(iiMedia Research)がこのほど明らかにした。「耳の経済」の成長に期待が高まる。

 安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)に住む賀慧(He Hui)さん(63)は、料理や掃除、外出や旅行の際などにスマホを開き、好きなオーディオブックを選んで「耳で読む」のが習慣になっている。

「若い人は音声で知識を得たり、音声を楽しんだりしている。音声コンテンツというプラットフォームは目の良くない高齢者にもうってつけだ。読書から両手を解放し、生活を豊かにできる」と賀さん。今では音で楽しむコンテンツが日々の心の糧、良き友になっているという。

 中国新聞出版研究院の第17回全国国民閲読調査によると、19年時点で、中国人のうち、オーディオブックを利用する習慣のある人は31・2%に達した。成年者に限るとこの割合は30・3%で、前年から4・3ポイント高まった。

 車載機器、スマートホーム、スマートスピーカー、ウエアラブルデバイスなどのハードウエアと掛け合わせることで、音声コンテンツはさまざまな生活シーンに広がりつつある。科学技術の進歩が「耳の経済」の発展余地を切り開いている。

 中国音声配信プラットフォームの「喜馬拉雅(シマラヤ)」が発表した音声コンテンツの夜間利用に関する調査によると、音声コンテンツの利用方式では、スマートスピーカーや車載機器、ウエアラブルデバイスなどの人気が高い。夜間利用の場面では、ジョギング中や寝る前、車内などでの利用が最も急速に増えている。こうした変化に伴い、利用方式のうちスピーカーの割合は31・3%、車載機器の割合は23・1%上昇した。

 中国の音声認識最大手、科大訊飛(アイフライテック)の劉慶峰(Liu Qingfeng)董事長は合肥市でこのほど開かれた「第3回世界声博会」で、IoE(インターネット・オブ・エブリシング)による利益がまさに表れ始めており、腕時計や眼鏡、ベルトなどのウエアラブルデバイスに代表されるスマート端末が増えていると指摘。こうした機器が使われる場面では「画面」はますます小さくなり、人間と機械とのより自然な交流方式である「音声」の需要が高まっているとし、「IoEは、音声を中心とし人工知能(AI)と高度に結びついた産業全体に繁栄をもたらす」との見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News