【11月12日 AFP】アルメニアの首都エレバンでは11日、ニコル・パシニャン(Nikol Pashinyan)首相が係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)の広域でアゼルバイジャンの支配を認める内容の停戦に合意したことを受け、数千人規模の抗議デモが行われた。

 パシニャン氏は10日未明、ロシアの仲介でアゼルバイジャンとの完全停戦に合意したと発表。約1か月半にわたって死者1400人以上、避難民数万人を出した激しい戦闘に終止符が打たれた。ロシアは11日、ナゴルノカラバフに平和維持部隊400人以上を派遣した。

 アゼルバイジャンでは停戦合意に喜びの声が上がったが、アルメニア側では怒りが沸騰。政府庁舎にデモ隊が突入する騒ぎとなった。

 人々はパシニャン首相を「裏切り者」と呼んで辞任を要求している。デモに参加した学生は、「私たちの歴史、文化、精神が失われるのと同じだ。言うまでもなく、殺されたり負傷したりした大勢の同胞の犠牲も無駄になった」と訴えた。

 警察によると、抗議デモでは著名な野党指導者を含む135人が一時身柄を拘束された。(c)AFP/Hervé BAR