【11月12日 AFP】カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は11日、華為技術(ファーウェイ、Huawei)の孟晩舟(Meng Wanzhou)最高財務責任者(CFO)をめぐり中国が再びカナダを非難したことを受けて、中国の圧力に屈して孟氏を釈放することはないと断固とした態度を示した。

 カナダは2018年12月、米国の令状に基づいて孟氏を逮捕。その数日後、中国当局はカナダ人の元外交官マイケル・コブリグ(Michael Kovrig)氏と、実業家マイケル・スペーバー(Michael Spavor)氏をスパイ容疑で拘束。西側諸国で、カナダ人2人の拘束は中国による報復とみなされている。

 トルドー氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで、「中国は、十分な圧力をかけさえすれば、わが国が屈すると思い込んでいるようだが、わが国は決して屈さない」と述べた。

 さらに、「わが国は強制外交をよしとしない」「実際、その手の圧力に屈したら、長きにわたってつけを払わされると確信している」「わが国が信条を曲げることはない」と断言した。

 トルドー氏は9日、米大統領選で当選を確実にした民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領との電話会談の中で、中国に拘束されているカナダ人2人の窮状を取り上げた。その後の記者会見で、米政府が2人の解放に向けて圧力をかけ続け、中国に今のアプローチが全く無意味だと印象付けることに「絶大な自信がある」と述べた。

 これに対し中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は、中国はカナダ人2人を「国家安全保障を損なう活動に関与した疑い」で拘束しているが、カナダ政府は「カナダ法を一切犯していないにもかかわらず、理由なく」孟氏を拘束していると非難した。(c)AFP