【11月12日 AFP】国際自転車競技連合(UCI)は11日、ツール・ド・ポローニュ(Tour de Pologne 2020)で同胞のファビオ・ヤコブセン(Fabio Jakobsen)が昏睡(こんすい)状態になる事故を引き起こしたディラン・フルーネヴェーヘン(Dylan Groenewegen、オランダ)に9か月の出場停止処分を科した。

 UCIはチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)に所属する27歳のフルーネヴェーヘンが「調査に協力し、2021年5月7日までの出場停止期間を受け入れた」と発表。同選手は事故が起きた8月上旬からレースに出場していなかった。

 ポーランド・カトウィツェ(Katowice)で行われたツール・ド・ポローニュの第1ステージで、ヤコブセンはフィニッシュ直前のクラッシュで宙に投げ出されフェンスを乗り越えた。その後2日間昏睡状態に置かれた後、顔の再建手術を受けた。

 ドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)に所属する24歳のヤコブセンは、時速80キロでフルーネヴェーヘンと競り合う中、フルーネヴェーヘンが右に急に進路を変えたため防護壁に押し付けられる形となり、宙で一回転してフェンスを乗り越えレース関係者と衝突した。

 トップでフィニッシュラインを切ったのはフルーネヴェーヘンだったが、その後失格となり、ヤコブセンのステージ優勝が発表された。

 自身もこの時の落車で鎖骨にひびが入り手術を受けたフルーネヴェーヘンは、SNSと母国のテレビで謝罪し、UCIの裁定が出るまでチーム・ユンボ・ビスマから出場停止処分を科されていた。

 同日フルーネヴェーヘンは「ツール・ド・ポローニュ第1ステージのクラッシュは、永遠に自分のキャリアにおける暗い一ページとなるだろう」とコメント。「処分をまっとうすることで透明性が生じる。それは再び前を向く機会を与えてくれる。5月7日はまだ遠いが、そのことについてはうれしく思う」 (c)AFP