【11月11日 AFP】(更新)香港・立法会(議会)の民主派議員らは11日、集団辞職を表明した。これに先立ち、中国の全国人民代表大会(全人代、National People's Congress、国会に相当)の常務委員会が香港政府に対し、国家安全保障上の脅威とみなす議員の資格剥奪を認め、議員4人が資格を剥奪されていた。

 民主派議員15人を率いる胡志偉(Wu Chi-wai)議員は「われわれ民主派は、資格を剥奪された同僚議員らへの連帯を示し、集団辞職する」と発表した。

 中国が香港国家安全維持法(国安法)を導入して以降、ソーシャルメディア上の投稿を理由にした拘束や、活動家らの海外逃亡が相次ぐなど、窮地に立たされている民主派にとって、今回の議員集団辞職はさらなる打撃となる。

 香港政府は同日、全人代の常務委員会が、国家安全保障上の脅威とみなす議員の資格を、法的手続きを踏まずに剥奪できると決定した数分後に、民主派議員4人の資格を剥奪した。

 香港行政長官は親中派の選挙委員らによって選出されるが、立法会の70議席のうち半分は直接選挙で選ばれるため、市民750万人が投票によって声を届けられる数少ない機会となっている。しかし民主派議員らの集団辞職後は、議員のほぼ全員が親中派となる。

 香港市民は政府トップに加え、議員の半数も投票で選ぶことができないため、中国による統治への反発が増大。昨年には、暴力も頻発する大規模な抗議活動が何か月も続いた。(c)AFP