【11月12日 AFP】12日に開幕する男子ゴルフ米国ツアーメジャー第3戦、第84回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2020)では、ブライソン・デシャンボー(Bryson DeChambeau、米国)が得意のパワーゴルフをオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club、パー72)でさく裂させようとしており、ライバルたちも、ゴルフのあり方そのものが変わるかもしれないと考えている。

 今年の米国ツアーは、新型コロナウイルスの感染拡大で3か月にわたってシーズンが中断し、マスターズも4月から11月への移動と無観客開催が決まったが、27歳のデシャンボーはその間に肉体改造に取り組み、全米オープン選手権(2020 US Open Championship)で圧勝。深いラフにボールを打ち込むことを恐れず、飛距離と正確な方向性を武器にする戦い方でメジャーを制覇できることを証明した。

 今回のデシャンボーは、ウエッジとショートアイアンで高難度のうねるグリーンに乗せており、いくつかのホールではドライバーの打ち出し角度も見直している。

 デシャンボーは「自分は日々速く、強くなっているし、できる限り遠くへ飛ばそうとしている」「筋力は伸びる一方だ。毎日成長を実感しているから、どこへたどり着くかは自分でも見当がつかない」と話している。

 もちろん、他にも多くの選手がタイトル獲得へ向けて準備を進めているが、最終日にデシャンボーがグリーンジャケット着用という結末にたどり着く可能性はある。

 世界ランキング3位のジャスティン・トーマス(Justin Thomas、米国)は「彼の方が僕やみんなより有利ということはないと思いたいが、現実には彼が有利だ」「自分も成長し、乗り越える必要がある。他の選手を倒せるように、自分には彼を倒す力もあると思うが、とにかくもっと良いプレーをすることが大切だ」とコメントした。

 大切になってくるのは、チップショットやパッティング、長い距離のアプローチかもしれない。メジャー4勝のロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)は「やっぱりこのコースは、世界最高の選手たちにとっても大きなチャレンジになると思う」「彼のドライバーは非常に素晴らしいが、同時にその後には、別の良いショットを続ける必要がある」と話している。