【11月11日 AFP】イングランドサッカー協会(FA)のグレッグ・クラーク(Greg Clarke)会長が10日、一連の問題発言の責任を取り、辞任を表明した。

 現在63歳で、国際サッカー連盟(FIFA)の副会長でもあるクラーク会長は、多様性をテーマにした英下院デジタル・文化・メディア・スポーツ委員会で、黒人選手に対して「coloured(有色)」という人種差別的意味を持つ言葉を使い、謝罪を強いられていた。

 クラーク会長については、協会のIT部に南アジア出身のスタッフが多いのを引き合いに出し、同地域のバックグラウンドを持つサッカー選手がイングランドに少ないのは「キャリアに対する関心が異なる」ためだと言ったことも批判されていた。

 また、ゲイをカミングアウトする選手が少ないのは「人生の懸かった選択」だからだという発言や、サッカーを避ける少女が多いのはボールがぶつかるのが嫌だからだというコメントも問題視されていた。

 FAは「グレッグ・クラークが会長職から退いたことを発表する」「われわれが組織として、多様性の促進と不平等の解消、あらゆる差別の問題に全力で取り組んでいることを改めて強調したい」と発表した。

 クラーク会長も、FAがいっそう多様な組織になることを目指している中で、自身の発言は許されないものだったと認めている。

「私が議会で使った言葉は許されないものであり、サッカーそのものや選手、ファン、審判、運営者に害をなすものだった。あれで辞める意思が固まった」「包括性の実現にみんなで取り組んでいた中で、サッカーコミュニティーを幅広く傷つけたことを非常に申し訳なく思う」

 今後についてFAは、ピーター・マコーミック(Peter McCormick)氏が暫定的に会長を務め、新会長の選定、指名を進めていくことを発表している。(c)AFP