【11月11日 AFP】米ペンシルベニア州のとあるレストランの駐車場では8日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の支持者らが集まり、選挙結果が「認定される」まではジョー・バイデン(Joe Biden)氏の勝利を認めないと強気の姿勢を見せていた──しかし、そこに漂い始めていたのは諦めムードだった。

 トランプ支持者らが集まったのは、州北東部ブラッドフォード(Bradford)郡トワンダ(Towanda)にあるレストラン「ジョーンズ・ダイナー(Jones Diner)」の駐車場で、米国のテレビネットワークがバイデン氏勝利と報じた翌日だった。

 30人ほどの支持者らは、「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」と書かれた赤い野球帽をかぶり、トランプ氏とマイク・ペンス(Mike Pence)副大統領の名前が入った巨大な青い旗を掲げていた。

 人口約2800人のトワンダは、トランプ氏の支持が盤石な田舎町で、11月3日の投票日には郡内の有権者3万人の72%が同氏に投票した。この数字は、2016年を若干上回るものとなった。

 ブラッドフォード郡政委員のダグ・マクリンコ(Doug McLinko)氏は、「ここは『嘆かわしい(deplorable)』国の中心地だ」と語る。deplorableは、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏がトランプ支持者を指して使い、不興を買った表現だ。

 当然ながら、集まっていた多くの支持者は意気消沈していたが、トランプ氏はまだ敗北を認めておらず、同氏の選挙陣営が起こしているさまざまな訴訟が決着するまでは、負けを認めるべきではないと口をそろえた。

「選挙結果が認定されるまで、勝者の発表はあってはならない」とマクリンコ氏。「今の時点では時期尚早だ」

 また、7日夜にバイデン氏が行った勝利演説は見なかったとしながら、「認定されるまでは、大統領として認めるつもりはない」と述べ、「すべての合法的な票が集計されたことが分かるまで、私たちが納得でき、違法行為がないと分かるまでは敗北宣言をしてほしくない」と続けた。