【11月10日 AFP】ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)は9日、国内で行われている中国の製薬会社シノバック・バイオテック(Sinovac Biotech)が開発した新型コロナウイルスワクチンの第3相臨床試験(治験)について、ボランティアの被験者に「有害事象」が起きたため一時中断したと発表した。このワクチンは開発がもっとも進んでいるワクチン候補の一つだったが、大きな打撃だ。

 ANVISAは、先月29日に「深刻な有害事象が起きたため、『CoronaVac』ワクチンの臨床試験を中断させると決定した」としている。

 ANVISAは個人情報保護の規定に基づき、何が起きたか詳細は明かせないとしている。だが、こういった有害事象には被験者の死や、死に至る可能性のある副作用、深刻な障害、入院、被験者の子どもの先天異常やその他の「医学的に深刻な事象」が含まれると説明した。

 9日には米製薬大手ファイザー(Pfizer)が、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、4万人以上が参加した第3相臨床試験で90%の有効性が示されたと発表し、新型コロナウイルスの流行終了の望みが出たとして各国で株価が上がっていた。(c)AFP