【11月9日 AFP】旧ソビエト連邦のジョージアで8日、議会選のやり直しを求める大規模デモがあり、警察が放水や催涙ガスで鎮圧した。野党側は、与党が票の不正操作を行ったと非難しており、デモ隊はやり直し選挙が実現するまで抗議運動を続ける構えだ。

 先月31日に行われた選挙では、富豪のビジナ・イワニシビリ(Bidzina Ivanishvili)元首相率いる与党「ジョージアの夢(Georgian Dream)」が得票率2%の差で勝利を宣言した。比例代表の得票率は与党48%、野党連合46%との速報が出ているが、中央選挙管理委員会は正式な結果発表を行っていない。

 与党は、不正疑惑を全面的に否定している。だが、野党すべてが新議会の招集に対して出席を拒否し、新たな政治危機が起きる懸念が高まっている。

 8日午後、首都トビリシの目抜き通りには5つの十字架が描かれた赤と白のジョージア国旗が幾つもはためき、議会前にはマスクをした人ら約4万5000人が集結した。デモ参加者らは、夕方から市内を行進し、数キロ離れた中央選管の建物に向かった。

 デモ隊が選管の建物を封鎖する構えを見せた後、機動隊は平和的な抗議デモに介入。警告なしに放水砲や催涙ガス弾を使用する様子がテレビで生中継された。デモを報じるジャーナリストにも近距離からの意図的な放水が浴びせられ、カメラマン1人が目を負傷した。

 米国と欧州連合(EU)は、「信頼できる包括的な法的手続きをとり、裏付けのある選挙違反を是正する」よう呼び掛けている。(c)AFP/Irakli METREVEL