【11月9日 People’s Daily】10月11日未明から中国・山東省(Shandong)の青島市(Qingdao)は不眠不休が続いた。新型コロナウイルスの無症状感染者が突然、3人現れたためだ。

 11日午前2時、青島市の主要指導者は直ちに市の疾病予防管理センターに赴き、緊急ビデオ会議を開催、感染のまん延を防ぐために全面的な対策を講じた。午前4時には山東省の主要指導者が感染について報告を受けた。直ちに対策を講じ、青島できちんと素早く、検査、隔離、治療を実施することにした。

 11日早朝、山東省は青島市に省と市が一体化した指揮部を設立、緊急対策を全面的に推進することにした。

 山東省は省の衛生健康委員会と省の公安庁による原因調査チームも設けた。このチームには30数人の感染症専門家と800人近い警察官を動員、72時間連続で調査を進めた。

 青島市はビッグデータの手法を積極的に運用し、9月23日以降に青島を離れた省内の人々を追跡、PCR検査を実施した。その一方で、青島を離れた省外の人々についてはその情報を関係する省・市に送り、感染拡大を防止することにした。

 11日夜には青島市内の広場などにテントが張られ、大規模なPCR検査が始まった。

 これに先立ち11日午前には、青島市胸科医院の診察が停止され、青島市第三人民医院も新型コロナ感染者用として使われることになった。

 国家衛生健康委員会と山東省は、治療を指導させるため相次いで9人の専門家を青島市に送った。国家衛生健康委はこのほか、新型コロナ感染症の元患者の回復期の血漿9000ミリリットルを青島市に送った。

 青島市は国と省、市の専門家が連携して診察する体制を構築。10月28日の時点で13人の患者の治療状況は良好で、うち4人は治癒して退院していた。

「5日以内に1100万人余りの全市民を検査する」。指揮部がこうした方針を打ち出したとき、「青島の感染状況は非常に深刻なのではないか」と心配する人もいた。

 これに対して青島市の薛慶国(Xue Qingguo)副市長は記者会見で「青島で全員のPCR検査を実施するのは、感染状況が深刻なためではない。近くにいる人に安心してもらうためだ」と説明した。(c)People's Daily/AFPBB News