【11月9日 AFP】フランス東部で、伝書鳩(ばと)を使って送られたが宛先に届かなかったとみられる小さなカプセルに入った100年以上前の手紙が、散歩中のカップルによって発見された。

 フランス東部オルベ(Orbey)にあるランジュ博物館(Linge Museum)の学芸員、ドミニク・ジャーディ(Dominique Jardy)氏によると、手紙はインガースハイム(Ingersheim)にいた当時のプロイセンの兵士がドイツ語で書いたもの。手書きの文字は判読が非常に困難だったが、軍事作戦について詳細につづられており、軍の上官に宛てたものだった。

 手紙が書かれたのは1910年のようだが、1916年の可能性もある。現在、フランス東部グランテスト(Grand Est)地域圏にあるインガースハイムは、当時ドイツの一部だった。

 カップルは今年9月、インガースハイムで保存状態の良い手紙の入ったカプセルを発見し、最寄りのランジュ博物館に届けた。ジャーディ氏はこのような発見は「非常に珍しい」と熱を込めて語った。同博物館は、1914年から1918年の第1次世界大戦(World War I)で特に多くの死者を出した戦場の跡に建てられている。

 ジャーディ氏はドイツ人の友人に手紙の解読を手伝ってもらったと述べた。小さな紙に書かれた手紙とカプセルは、博物館の常設展示に加えられるという。(c)AFP