【11月9日 AFP】ベラルーシの首都ミンスクやその他の都市で8日、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領の辞任を求めるデモが行われ、少なくとも830人が拘束された。現地の人権団体、ビアスナ人権センター(Viasna Human Rights Centre)が明らかにした。

 デモ隊はルカシェンコ大統領に対し、反政権派指導者スベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏への政権移譲を要求している。チハノフスカヤ氏は政治経験が浅いが、ルカシェンコ大統領の対立候補として8月9日の大統領選に挑んだ。

 日曜日の反政権デモは大統領選以来、3か月続いており、これまでに全国で数万人が参加し、ルカシェンコ氏の再選に抗議した。大規模な日曜日のデモのほか、教師や学生、医師らによる小規模な抗議デモも行われている。

 8日はミンスクの中心部で数千人がデモ行進するなか、ミンスク中心部に警察車両や放水銃を搭載した車両が配備され、警官があちこちで散発的に参加者を拘束した。

 チハノフスカヤ氏は大統領選挙の真の勝者は自分だと訴え、複数の欧米の指導者の支持を得ていると表明。7日には米大統領選で当選確実となったジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領に祝意を送り、大統領就任後に会うことを期待していると述べた。

 米民主党のバイデン氏はこれまでベラルーシの反体制派を支持する立場を表明しており、ルカシェンコ政権に対する制裁を強化すると約束している。

 一方、ルカシェンコ氏は7日、米大統領選は「見せかけの民主主義」だと述べ、選挙結果にかかわらずベラルーシと米国の関係は変化しないとの見解を示した。(c)AFP