【11月9日 AFP】米大統領選で当選を確実にしたジョー・バイデン(Joe Biden)氏(77)は8日、政権移行の準備に乗り出した。分断が進んだこの4年の立て直しとなるよう米国民が期待を寄せる一方、現職のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領(74)は敗北を認めず、選挙結果に依然として疑問を投げかけている。

 各国首脳が次々とバイデン氏に祝意を伝え、大騒ぎで祝福した支持者らが二日酔いから回復する中、バイデン氏は副大統領当選を確実にしたカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏(56)とともに、政権移行に向けたウェブサイト「BuildBackBetter.com」とツイッター(Twitter)のアカウント「@Transition46」を設立した。ウェブサイトには、バイデン、ハリス両氏による新政権が優先事項とする、新型コロナウイルス、経済回復、人種間の平等、気候変動の四つの課題が列挙され、「招集が進められているチームは、(就任)初日にこれらの課題に対応する」と明記された。バイデン氏は来年1月20日、米国の第46代大統領に就任する。

 今月20日に78歳を迎えるバイデン氏は、大統領に選出された候補者として史上最高齢。ハリス氏はカリフォルニア州の上院議員で、副大統領に選出されたのは女性としても、黒人としても史上初めて。バイデン氏はすでに、新型コロナウイルス流行に対応するタスクフォースを9日に指名すると発表している。新型ウイルスにより米国では23万7000人以上が死亡し、全米で感染が急増している。

 カトリック教徒として史上2人目の大統領となるバイデン氏は8日朝、地元デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)の教会に姿を見せた。

 一方、トランプ氏はゴルフ場に向かった。バイデン氏が勝利に必要な選挙人を確保したと米テレビが一斉に報じた7日朝にも、トランプ氏は首都ワシントン近郊の自身のクラブでゴルフをしていたが、8日朝、再びゴルフ場に足を運んだ。トランプ氏は7日、ツイッターに自身が「大差で」選挙に勝ったと投稿。8日にも、不正投票があったとする根拠のない主張をツイッターで展開し続けた。(c)AFP/Chris Lefkow with Peter Hutchison in Wilmington