【11月8日 AFP】フランスのジャン・カステックス(Jean Castex)首相は7日、地中海沿岸の都市ニース(Nice)で男が刃物で次々に人を襲い、3人が死亡した事件の追悼式に出席し、犠牲者に哀悼の意を表すとともに、「敵はイスラム過激派だ」と訴えた。

 カステックス氏はニースで行われた追悼式で、「敵は分かっており、名前まで特定されている。イスラム過激派だ」と述べた。さらに、ニースは2016年7月14日に起きた、革命記念日の花火の見物客にトラックが突入し86人が死亡した事件にも言及し、同市はすでに「大きな犠牲」を払ってきたと振り返った。

 カステックス氏はイスラム過激派を、「コーラン(イスラム教の聖典)を曲解することでイスラム教をゆがめる政治的イデオロギー」と呼び、テロの標的にされるのはいつもフランスだと訴えた。

 フランスに到着したばかりのチュニジア人移民による犯行とみられている今回の事件を受け、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は、出入国審査のないシェンゲン(Schengen)圏に属する国と属さない国の境界の警備強化を求めるようになった。

 オーストリア首都ウィーンで2日、4人が死亡した銃撃事件が発生したことを受け、フランスは、欧州連合(EU)に加盟する国との国境で警備の人員を倍増し、テロ警戒レベルを3段階の最高に引き上げた。

 また、フランスの閣僚らは、北アフリカの旧植民地であるチュニジアとアルジェリアに対し、フランスでテロで有罪判決を受けた自国民を引き取るよう圧力をかけている。(c)AFP/Claudine RENAUD