民主党バイデン氏、苦節乗り越え大統領に
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■人間的側面
バイデン氏のメッセージの根本に大きくあるのは、今もなお人気の高いバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領とのつながりと、党派分断政治の時代における穏健な政治路線だ。
だが、ワシントンのベテラン政治家らの中でバイデン氏が際立っているのは、トランプ氏の、すべてを征服し何の疑いも持たない姿勢とは全く対照的な、痛々しいまでもの人間的側面だ。
1972年、バイデン氏の最初の妻、ネイリア・ハンター(Neilia Hunter)さんと当時1歳だった娘ナオミちゃんは、クリスマスの買い物中に車の衝突事故で死亡した。バイデン氏がデラウェア州で予想を覆し、上院議員初当選を果たしてからわずか数週間後のことだった。
その事故で生き残った息子2人、当時4歳のジョセフ・「ボー」・バイデン3世(Joseph "Beau" Biden III)氏と2歳のロバート・ハンター・バイデン(Robert Hunter Biden)氏はひどい重傷を負い、30歳だったバイデン氏は病院の息子らのベッドの脇で上院議員就任の宣誓を行った。
1975年に2番目の妻となるペンシルベニア出身の教師ジル・ジェイコブス(Jill Jacobs)さんと出会い、2年後に結婚。1981年に娘アシュリーさんが生まれた。
最初の妻との息子2人のうちボー氏は、父親の後に続いて政治の道を進んだ。デラウェア州司法長官となり、州知事選へ出馬するものとみられていたが、2015年に脳腫瘍のため46歳で亡くなった。