【11月7日 AFP】(更新)3日投票の米大統領選で優勢になっている民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領は6日夜、地元のデラウェア州ウィルミントン(Wilmington)で演説した。バイデン氏は選挙での勝利に近づいているとの認識を改めて示したが、勝利宣言には踏み込まず、開票作業が終わるのを待つ姿勢を示した。

 副大統領候補のカマラ・ハリス(Kamala Harris)上院議員を伴って演説したバイデン氏は、すでに次期大統領になったかのような口調で、新型コロナウイルスの感染拡大防止策についてハリス氏と共に専門家たちとの会合を重ねており、大統領就任後すぐに新型コロナウイルス対策に取り組むと述べた。

 またバイデン氏は、「われわれは怒りを、そして他人を悪者扱いすることを、忘れなければならない。傷を癒やすため一つの国として協力する時だ」と述べ、分断が進んだ米国をまとめることに意欲を示した。

 バイデン氏は、「大統領としての私の責任は全国民を代表することだ」と述べ、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の、挑発に支配された4年に及ぶ統治との違いを際立たせた。

 選挙人の数が20人と多く、最終的な選挙結果を左右するとみられているペンシルベニア州では、開票作業が最終盤に入ってからもバイデン氏のリードはしっかりと拡大している。6日深夜の時点でバイデン氏の得票数はトランプ氏より約2万9000票多い。もっとも、この票差では再集計の可能性もある。

 ネバダ州に加え、21世紀の大統領選で民主党が勝ったことがなかったアリゾナ州とジョージア州の2州でも今回はバイデン氏が優勢となっている。一方でトランプ氏はノースカロライナ州でわずかにリードを保っている。

 ジョージア州は、接戦になっていることから大統領選の票の再集計を行うと発表した。また同州は大統領選と同時に行われ2議席を争った上院選の決選投票も来年1月に行う。同州では得票率が50%を超える候補者がいなかった場合、決選投票を行うことになっている。民主党が上院の主導権を得られるかどうかは、ジョージア州の決選投票の結果次第だとみられている。(c)AFP/Peter Hutchison with Shaun Tandon and Sebastian Smith in Washington