【11月5日 AFP】エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は4日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の意見記事に自身の発言が間違って引用されたとして、フランスが闘っている相手は「イスラム主義者の分離主義であって、決してイスラム教ではない」と反論した。

 FTが3日に掲載した自社特派員による意見記事は、マクロン氏が「イスラム分離主義」を糾弾したことにより、フランス在住のイスラム教徒を「敵視する環境」が醸成される恐れがあると指摘していた。この意見記事は既に取り下げられ、「事実誤認が含まれていた」との説明に置き換えられている。

 マクロン氏は、4日公開されたFT編集部に宛てた書簡で、同紙が「選挙のためにフランスのイスラム教徒に汚名を着せ、彼らに対して恐怖と不信感を抱かせる風潮を助長した」と自身を非難した点を指摘。「フランスや仏政府がイスラム教徒に対する人種差別を助長しているなどとは、誰にも言わせない」と述べた。

 その上で、「フランスが闘っている相手は(中略)わが国の子どもたちを脅かす憎しみと死だ。決してイスラム教が相手ではない。われわれが反対するのは、欺瞞(ぎまん)や狂信主義、暴力的な過激主義だ。宗教ではない」と強調した。(c)AFP